世界初のMaaSアプリ、2019年に日本上陸か。スマホ一つで全ての移動手段を手配・決済 – BUSINESS INSIDER JAPAN

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世界初のMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)プラットフォームとして知られるフィンランド発のサービス「Whim(ウィム)」が、2019年にも日本に進出する可能性が出てきた。



交通機関の検索・予約・支払いが一括でできるフィンランド発のアプリ「Whim」。

交通機関の検索・予約・支払いが一括でできるフィンランド発のアプリ「Whim」。

MaaSとは:電車やバスなど、複数の交通手段を乗り継いで移動する際に、各事業者ごとに個別に予約や支払いをするのではなく、マイカー以外のモビリティ全体を一つのサービスとしてとらえ、利用・提供するという考え方

「Whim」を運営するスタートアップ、MaaS GlobalのCEOが12月4日(現地時間)、Business Insider Japanの独占インタビューで明かした。

シェアバイク、レンタカーも一つのアプリで

2016年にフィンランド・ヘルシンキで試験的に運用を始め、2017年11月に本格的にサービスを開始したWhim。

現在までに累計約2500万ユーロ(約32億2000万円)の資金調達に成功しており、調達先には日本からもトヨタファイナンシャルサービスやデンソー、あいおいニッセイ同和損害保険が名を連ねる。2017年にはベルギー・アントワープで、2018年にはイギリス・バーミンガムでもサービスを開始した。

記者もヘルシンキ空港から市内に移動する時にWhimを使ってみた。

Whim

このチケットは購入後、2時間有効。アプリ上で時間がカウントされる仕組み。

まずはアプリをダウンロード。行き先であるホテルの名前を検索窓に入れると、グーグルマップ上で最適なルートと料金が表示された。料金ボタンをタップし、クレジットカード情報を入れれば決済完了(事前に登録しておくことも可能)。そのまま電車に乗り、巡回してくる車掌さんにアプリの画面を見せるだけ。

Whimのすごさはこれだけにとどまらない。

「モビリティ(移動)アズ・ア・サービス」の名の通り、乗り継ぎをする場合でも、電車・バス・タクシー・レンタカー・カーシェアリング・シティバイクに至るまで、さまざまな移動手段を使った最適ルートの検索・予約・支払いが一つのアプリで完結してしまう。

さらに、都度決済のプランだけではなく、バスや電車などが乗り放題になるプラン(月額49ユーロ)や、無制限で乗り放題のプラン(月額499ユーロ、ただしタクシーの利用は5キロメートル以内に限る)も選べる。

2014年から始まっていた「MaaS構想」

サンポ・ヒエタネン氏

MaaS Global CEOのサンポ・ヒエタネン氏。

なぜ、フィンランドでこのような先進的なMaaSのアプリが実現したのか?

12月4日、ヘルシンキで行われたスタートアップ・投資家イベント「Slush」で、Whimを運営するスタートアップ、MaaS Globalのサンポ・ヒエタネン(Sampo Hietanen)CEOに話を聞くことができた。

同氏は、土木工学技師(シビル・エンジニア)としてキャリアをスタート。

フィンランドの大手ゼネコンDestiaで働いていた2000年頃、SMS(ショート・メッセージ・サービス)を通じて交通情報を届けるサービスなどを開発していた。

ヘルシンキ

MaaSの取り組みに対し、鉄道会社やタクシー会社も「ポジティブだった」と同氏は語る。

交通とITに関わるさまざまなサービスをつくっていた同氏。すでに2006年頃から、最終的には交通情報だけではなく、予約や決済までできる「MaaS」のビジネスが生まれ、産業を根本的に変えるだろうと考え始めていたという。

Whim開発のきっかけは、2014年頃。当時、同氏が代表を務めていた産官学コンソーシアム「ITS(Intelligent Transport Systems、高度道路交通システム)フィンランド」で、MaaSをビジネスとして始動させる動きが持ち上がった。

タクシー会社や鉄道会社から、シーメンス、エリクソンといった大手IT企業、Uberなども含めた、道路交通とITに関わる24団体がMaaS事業のビジネスプランを構想。

この取り組みに可能性を感じ、同氏は2015年にMaaS Global(当時の名前はMaaS Finland)を設立、ビジネスとしてのMaaS実現に向け、動き始めた。

フィンランドでMaaSの取り組みが成功した理由として、同氏は、二つ理由を挙げる。

一つは、中央省庁であるフィンランド交通通信省の存在だ。MaaSの実現を重要政策と位置付けていた同省は、MaaS実現のための法整備に尽力した。

もう一つは、長年におよぶ議論を経て、MaaS実現のためのステークホルダー同士の信頼や相互理解が築かれていたこと、と同氏は語ってくれた。

2019年には日本に上陸?「特に横浜エリア」

サンポ・ヒエタネン氏

ヒエタネン氏はSlushのサイドイベント「FUTURE TRANSPORTATION」にキーノートスピーカーとして登壇した。

ヘルシンキでは、Whimアプリのダウンロード数は約10万。月額サービスの利用者は7500人ほどだと同氏は言う。

Whimは拡大を続けている。現在は3都市にとどまるが、2019年中には、シンガポール・ウィーン・ハンブルク・ロンドンなど12都市・6カ国でのサービス開始を予定しているという。

インタビューで同氏は、2019年中の日本展開の可能性も口にした。

「私たちは少なくとも、名古屋、福岡、東京、特に横浜エリアで、パートナーとの交渉を続けている。(パートナーたちは)とても意欲があり、いくつかの問題を解決すればすぐにでもサービスは開始できる」

「もうすぐ、Whimを異なる都市・異なる国でも使えるようになります」と動画でも紹介。

提供:MaaS Global

「2020年にはさらに50都市での展開を目指しており、2020年代の早い段階で“グローバル・サブスクリプション”を実現させたい」と意気込む同氏。

北欧の小さな都市から始まった、壮大な「MaaS」計画。2019年にはその革新的なサービスを、日本でも体験できるようになるかもしれない。

(文・写真、西山里緒)



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