ここもオフィス…働き方改革で新ビジネス登場 – 産経ニュース

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 オフィスに出勤せずに働くテレワークの推進や長時間労働の是正などを盛り込んだ「働き方改革」への取り組みが進む中、「仕事の場」も多様化している。「他人の目が気にならない」「静かな」場所をキーワードに、新しいビジネスが生まれている。



密室

 「密室だから他人の視線を気にせず会社の資料やパソコンを広げられる」(東京都内の50代の会社員)と、使い勝手に注目が集まっているのがカラオケ施設だ。

 カラオケルーム「ビッグエコー」を展開する第一興商は昨年4月、ビジネス街のエキチカ店舗を中心に「仕事部屋」としてカラオケルームを提供する「ビジネスプラン」(1時間600円、一日利用で1500円)を始めた。

 開店から午後7時までの限定料金だが、「夕方ごろスーツ姿で入店して、午後7時以降も『まだ仕事が終わらないから』と、延長してカラオケの正規料金を支払ってそのまま仕事を続ける方もいます」(五反田東口駅前店の女性店員)という。

 「スーツで入店すると仕事をサボっているように見えるといった声もありましたが、電話の声も漏れず、資料をのぞき見られる心配もないと利用者には好評」と、第一興商の鈴木敬之営業推進課長。

 導入店舗は32店舗。テレワークの拡大も見込み、「今後は都心だけでなく近郊でも展開を構想中」という。

ワンコイン

 コインスペース(東京都港区)は、平成28年から東京・横浜に計6カ所、無線LANや電源、飲み物を備えた時間貸しスペースを運営している。そのうち3カ所は12分または15分100円とワンコインで使える手軽さが特徴だ。

 渋谷マークシティ店(渋谷区)の利用者の中心は30~40代で、昼間はフリーランスのクリエイターなどが多いが、夕方以降、入れ替わるようにやってくるのがスーツ姿のサラリーマンだ。平日の午後7時に同店を訪れると、穏やかなBGMとパソコンのキーをたたく音が入り交じる中、スーツにネクタイ姿の中年男性がノートパソコンと紙の資料を広げていた。

 「就業時間内に終わらなかった仕事を持ち込む人もいる」と同社代表取締役の栗原知也さんは話す。

エキナカ

 JR東京駅構内に、昔の公衆電話ボックスを思い出させる箱形施設がお目見えして、通勤客らの視線を集めている。JR東日本が11月末に設置したブース型のシェアオフィス「ステーションブース」だ。半透明の扉を開けると、おおむね1メートル四方のブース内には机と椅子、照明、無線LANやUSBポート、電源などが備わっている。

 同社は来年度から「エキナカ」でのシェアオフィス事業を展開する方針で、その実証実験を始めたのだ。まずは、この一人用のブース型オフィスを東京、新宿、品川の3駅に4つずつ設けた。扉を閉めれば密室。会社の資料を広げたり電話での打ち合わせも安心して行える。

 「移動のロス時間のないエキナカに働く場を提供することにより、多様な働き方をサポートできると考えている」と同社広報。エキチカ施設よりもエキナカというわけだ。

 利用時間は電車移動の隙間ということで15分あるいは30分を想定している。空き時間の確認、利用予約は専用サイトから行う。実験期間中は無料。

可能性

 こうした社外オフィスビジネスは今後増えるのだろうか。仕事道具や資料の社外持ち出しが、どの程度可能になるかにかかっていそうだ。

 調査会社「IDC Japan」(千代田区)が昨年9月、会社員967人に聞いた調査では、63%がパソコンに持ち出し制限があると答えた。しかし、同じ調査で「今後持ち出しができるパソコンが増えるか」を聞くと、30・2%が「増加」と回答。理由として「(セキュリティーのための)暗号化ソフトが安価となった」などが挙がったという。

 テレワークに対応するためのルールや仕組みづくりは始まったばかり。セキュリティーの強化と制限の解除などが進めば、カラオケルームでの書類作りや打ち合わせも、なじみの光景になるかもしれない。(文化部 津川綾子)



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