「仕事に生かせる長所たくさんある」発達障害者の就職導く…ADHDの男性、会社設立 – 読売新聞

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「仕事に生かせる長所たくさんある」発達障害者の就職導く…ADHDの男性、会社設立

ADHDの当事者らと働き方について話をする佐々木創太さん(右)と島本卓也さん(中央)(11月17日、大阪市東淀川区で)=宇那木健一撮影

 発達障害の一つ「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」の男性が、同じ障害に悩む人たちの就労を支援する会社を大阪市に設立した。ADHDは集中力が続きにくいが、行動力があり、切り替えが早いなどの長所があるとされる。男性は障害を自覚せず、離職した経験があり、「障害への理解を広げ、企業との橋渡し役になりたい」と力を込める。



 「会議中でも別のことが気になってしまう」「色んな情報を取り込んでいるということ。どんどんアイデアを出していこう」

 11月中旬、大阪市東淀川区の市立青少年センターで、成人になってからADHDと診断された15人の男女が、体験や悩みを語り合う「自助会」が開かれた。自らの強みを知り、就職活動に役立ててもらおうと、同市東成区のコンサル会社「ビルダーズ」が毎月開いている。

 ビルダーズは、自らもADHDの佐々木創太さん(31)が今年10月に設立した。月1回の自助会を会社設立前の1月から開いているほか、登録者に就職先を紹介したり、企業に助言したりする。

 佐々木さんは、大学卒業後の2009年、商社に就職し、営業マンとして働いた。新規開拓が得意で、成績は毎月課内でトップ。しかし、経費書類の作成など事務作業が苦手で、同じミスを繰り返すことが多く、上司から「当たり前のことがなぜできない」と怒られることもあったという。

 「周りから『手を抜いている』と思われていたみたい」。同僚との関係も悪くなり、ふさぎ込むように。15年に別の商社に転職したが、体調を崩し、17年1月、ADHDと診断された。

 「障害者だったんだ」。佐々木さんはショックで3日間自宅に引きこもった。しかし、当事者集会などに参加するうち、「『障害』ではなく『特性』なんだ」と考えられるようになったという。発達障害の人を支援していた作業療法士の島本卓也さん(37)と知り合い、「自分のような思いをする人がいないように」と、一緒に会社を設立することにした。

 誰もがいきいき働ける社会を「つくりあげる」という意味を込め、社名をビルダーズとした。現在、220人が登録。佐々木さんは自らの経験を踏まえ、向いている仕事などを助言している。販路開拓やコンサルタントなどの仕事が向いているという。まだ紹介の実績はないが、障害者雇用に取り組むIT会社や人材紹介会社などから協力の申し出が来ている。

 佐々木さんは「ADHDにも仕事に生かせる長所がたくさんある。『障害があるから』とうつむかず、堂々と働ける社会にしていきたい」と話している。

          ◇

  名古屋外国語大の竹内慶至准教授(医療社会学)の話 「発達障害の当事者が、就労支援に乗り出すのはほとんど聞いたことがない。当事者だからこそ理解できる悩みがあるはずで、相談側もより気軽に打ち明けられるだろう。当事者が発信することで、企業側の障害への理解も広がるのではないか」

 

「法定雇用」の対象に

 

 発達障害は、ADHDのほか、コミュニケーションが苦手なASD(自閉スペクトラム症)や読み書きや計算が困難なLD(学習障害)がある。文部科学省の2012年の調査では、小中学生の約6・5%に発達障害の疑いがあるとされる。

 05年に発達障害者支援法が施行され、自治体やハローワークでも就労を支援しているが、障害者職業総合センター(千葉市)によると、ハローワークを通じて就職した発達障害者の約3割が1年後に離職していた。

 発達障害を巡っては、今年4月に障害者雇用促進法が改正され、障害者を一定割合雇用するよう義務づける「法定雇用」の対象に加わった。そのため、企業側の関心が高まっており、発達障害者向けのインターンシップ(就業体験)や説明会を開催する企業もある。



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