【彩人国記】ベルガードファクトリージャパン社長・永井和人さん(57) – 産経ニュース

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 ■野球選手支える“職人の意地”



 野球のキャッチャーミットやプロテクターなどを製造するベルガードファクトリージャパン(越谷市)の永井和人社長。かつて勤めていた野球防具メーカー「ベルガード」が突然、倒産する苦しい時期もあったが、これで“ゲームセット”ではなかった。野球への愛着を捨てず、倒産会社の商標を継承し新会社を設立した。モノづくりへのこだわりを聞いた。

 --そもそもベルガードに就職した理由は

 「高校までずっと野球を続けてきたので、野球に関連した仕事がしたいと思い、防具製造では名の知れたベルガードに入社しました。防具の基本は縫製なので、イチからミシンの使い方を覚えていきました。元ヤクルトの古田敦也さんや、横浜や中日で活躍した谷繁元信さんといった名捕手の防具を担当できたのは誇りです」

 --ところが、会社は平成24年2月21日、倒産した

 「その前日、普段通りに出勤し、仕事をしていたのですが、突然入ってきた弁護士から『作業をとめて、ここから出てください』といわれた。あまりに突然の出来事に言葉を失いました」

 --なぜ、ベルガードの商標を引き継ぎ、起業しようと考えたのですか

 「ちょうど2月はプロ野球のキャンプの時期で、すでに多くの注文を受けていました。選手に迷惑をかけられなかった。私自身も将来的な独立を見据え、前年(23年)から早稲田大学の起業家養成講座を受講していたのも大きかったです」

 --大手メーカーからの出資などはなかったのでしょうか

 「実は韓国メーカーから出資の話があったんです。しかし、出資を受けてしまうと、ベルガードが長年築いてきた製造ノウハウが海外に流出することになりかねない。そのリスクの大きさを考えてお断りしました」

 --新会社設立から6年が経過しました

 「おかげさまで業績は順調そのもの。われわれは選手のどんな細かい要求であっても『何とか形にしたい』という職人の意地で応えてきた自負があります。それが信頼につながり、評判が選手間で口コミで広がって注文が増え続けていると思います。いろいろな事情で名前は出せませんが、今シーズンの日本一になったソフトバンクの一部の選手も、わが社の防具を愛用しています。社員はたった4人ですが、大手メーカーに負けるつもりはありません」

 --海外選手からのオファーは

 「大リーグの選手からメールで直接、打者の肘を守る防具『エルボーガード』などの注文が届きます。有名なところではシアトル・マリナーズのロビンソン・カノや、ニューヨーク・メッツのヨエニス・セスペデスといった主力選手。現在、50人ほどの選手とメールなどでつながっています」

 --今後の展開は

 「製薬会社などとのコラボ商品があります。『集積機能性ミネラル結晶体』といわれる物質を含んだ繊維を使ったグローブやウエアなどを昨年から販売していて、バランス感覚やパフォーマンスの向上が見込まれるとされています。これを野球選手だけでなく、一般にも広げていきたいですね」 (大楽和範)

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【プロフィル】ながい・かずと

 高校卒業後の昭和57年、シナガワスポーツ(翌年にベルガードに社名変更)に入社。約30年間にわたり製造と企画を担った。倒産から4カ月後にベルガードファクトリージャパンを設立した。東京都出身。57歳。



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