会社員が副業始めたら… 所得20万円超で確定申告必要 – 日本経済新聞

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従業員に副業を認める企業が増えています。政府主導の働き方改革の流れを受けて2018年1月、厚生労働省が企業や働く人向けに副業を促進するガイドラインを公表しました。国のこの方針転換により、企業の一部が副業解禁に踏み切ったのです。では、副業収入はどのように課税されるでしょうか。



■働き方などで税務上の所得区分が変わる

まず「副業」とひとくちに言っても働き方などによって税務上の「所得」の区分が変わります。例えば、インターネット媒体などで記事執筆を副業とするケース。本業とは別の企業でアルバイトとして執筆業務をしているならば「給与所得」となります。一方、フリーランスとして業務委託を受けている場合は「雑所得」か「事業所得」を選ぶことになります。貸す部屋数が少ないなど小規模な投資用マンションの家賃などは「不動産所得」に当たります。

これら本業以外の所得が20万円を超えた場合は会社員でも確定申告が必要です。

事業所得や雑所得、不動産所得として稼ぐ人は20万円の基準は収入ではなく、経費を差し引いた「利益」で見るので精査が必要です。

例えば、手芸作品をネットやアプリを通じて販売しているケースで考えましょう。年間収入が25万円だったとしても即、確定申告が必要とは限りません。布地や糸などの材料費や配送料、顧客とのやりとりにかかる通信費など必要経費の合計が5万円超なら利益は20万円を下回ります。

■事業所得ならば損益通算ができる

事業所得か雑所得かは規模や営利性、継続性などによって決めて税務署に申告します。事業所得は実態を判断してもらうために収支を精査する必要があります。税務署に認められるかは最終的にはケース・バイ・ケースです。事業所得ならば、副業で損失が出た際、本業の給与所得も含めた所得全体で損益を調整して税額を算出する「損益通算」ができます。

事業所得と認められない場合には損益通算ができない雑所得として取り扱われますが、会社員の副業に詳しい税理士の高橋創さんは「将来的に開業を目指しているなどの事情がない人は雑所得とするほうが手間は少ない」と助言します。

また、税理士の福田浩彦さんは「配偶者がパートなどで働いている場合の副業は要注意」と指摘します。18年から配偶者控除の仕組みが変わり、年間所得が1000万円を超える人は控除を受けられなくなりました。この基準は本業と副業のすべての所得を合算した金額です。

■社会保険料の負担増にも留意

副業も給与所得の場合は社会保険のことも考えておく必要があります。厚生年金や健康保険に加入するルールには本業と副業に差はなく、一定条件を満たせば副業でも社会保険料を払うことになります。16年からは社会保険の加入条件が大企業などで「週20時間以上、年収106万円以上など」へ変わっているので、比較的短時間の副業でも対象になるケースがあります。

多くの企業で年末調整の書類が配布される時期になりました。年間の所得に対する税額を確定する手続きを勤務先が代行するものですが、あくまで本業の勤務先の給与所得に対する税金の調整で副業に関する所得は反映しません。申告漏れを防ぐためにも日ごろから副業の収入や経費を記録しておくといいでしょう。

[日本経済新聞朝刊2018年11月3日付]



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