内部告発すべきは「労基違反」と「ハラスメント」変わるコンプライアンス意識 – Beyond(ビヨンド)

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当たり前だが重要な「コンプライアンス」

食品偽造などの事件をきっかけに、世間に広く知られるようになった「コンプライアンス」という言葉。デジタル大辞泉によると、コンプラインアンスとは、要求や命令への服従。法令遵守。特に、企業がルールにしたがって公正・公平に業務を遂行することである。



またSNSの普及により、個人が社名を名乗って発信する機会が増えており、コンプライアンスは「情報リテラシー」という言葉とともに使われることも多くなってきている。

これを受け、PR総研では「働く人の『コンプライアンスと内部告発』に関する意識調査」を実施した。この調査は2003年と2012年にも実施しており、今回は過去2回との比較を実施。さらに「コンプライアンス活動の導入実態」と「パート・アルバイト」を調査対象に加えている。

調査の結果、通報すべき不祥事は「労基法違反」「ハラスメント」がそれぞれ前回より急浮上し、1位、2位となった。

大きく変わるコンプラインアンスへの意識

調査は、全国20歳~69歳の給与所得者である男女500人を対象としたものである。

まず、通報すべき不祥事を聞いたところ、社員/経営者では「労働基準法違反」が51%でトップ、2位が「ハラスメント」で50.7%であった。2012年の1位と2位であった「データ改ざん」「不正経理操作」は、それぞれ3位、4位に下がった。

2012年調査では、「労働基準法違反」は48%で6位、「ハラスメント」は35.0%で9位であったたため、両者とも急浮上していることがわかる。これは6年の間に、コンプライアンスに対する意識が大きく変わったこと意味している。

出典:プレスリリース

一方、パート・アルバイトでは、「ハラスメント」が70%と「労基法違反」の65%を上回るトップになった。

働き方改革により企業は対応を迫られているが、働く人の意識にも変化が生まれているのは間違いないようだ。自分の働く環境や待遇面の向上に対する関心は高まっている。

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コンプラ違反に気づいたら内部告発は有効か

次に、内部告発の有効性について聞いた。その結果、社員/経営者回答の「有効」が21.1%、「内部で警告後改善されなければ告発する」の25%とあわせて半数近くが評価していることがわかる。

出典:プレスリリース

しかし一方で、「わからない」も36%にも上っており、疑問を抱いている人も一定数いるのも事実である。そして「わからない」と回答した人は、2012年の調査時と比較し、大幅に増加している。

また、有効との評価は2003年には31%、2012年には41%と上昇してきたが、2018年は21.1%と半減している。告発の意思についても、「匿名なら告発する」は、2012年は社員/経営者の40%だったが、2018年は22%へ半減した。

同社では、匿名を重視する傾向は薄れるとともに、告発についての迷いが見られると分析している。

告発先が「思い当たらない」人が5割

出典:プレスリリース

内部告発の告発ルートは、「消費者相談センター」の14%、「管轄公的機関窓口」の13%が上位を占めた。

これは、2012年同様に社外の公的機関が支持されている。次いで、「コンプライアンス委員会」の11%、「ヘルプライン」の10%と社内の窓口が3位、4位となった。SNSやインターネット掲示板は前回に引き続き下位に位置された。

一方、コンプライアンス導入企業では、「コンプライアンス委員会」が24%で1位、「ヘルプライン」が17%で2位となり、社内通報ルート利用が上位を占めた。

意外にもSNSなどで告発するという人は少なかった。個人で気軽に発信できるツールは、個人の主観を発信しているだけと捉えられる懸念や、信ぴょう性に疑問を持つ人が多いのかもしれない。

減少傾向にある企業の不祥事

不祥事の増減について聞いたところ、過去2回と比べ不祥事の発生については、減少傾向が認められた。

社員/経営者の「不祥事は増加傾向にある」との認識は、2003年が32%、2012年が36%とこれまでは増えたが、今回の調査では10%に下がり、「減少する」という認識(減少する+無くなった)が7%から18%に増加している。

出典:プレスリリース

ただし、「わからない」とする認識が同5%から40%に増え、不透明感も高まっていることがわかる。

不祥事の減少理由は、「社内のコンプライアンス遵守の意識の高さ」が43%で最多だった。また、コンプライアンス活動が導入されている企業を見ると、「わからない」が23%に減少し、「減る+無くなった」が27%上がっている。

不祥事に自社はどう対応するのか?

では、不祥事が起きたら自社はどう対応するのだろうか。この設問に対し、全体の56%、社員/経営者の54%が「予想できない」と回答した。パート・アルバイトでは「予想できない」が63%とさらに高くなっている。

出典:プレスリリース

一方、コンプライアンス導入企業では社員/経営者の「予測できない」が31%と、未導入企業の69%と比べ半数以下である。「情報を公開し、組織を挙げて取り組む」は未導入企業の3%を大きく上回り、導入企業は20%に達した。

出典:プレスリリース

コンプライアンス活動は46%が未実施

 
社内のコンプライアンス活動について聞いたところ、46%が「実施されていない」という回答だった。これは企業側が実施していたとしても、社内での周知が足りておらず、回答者が知らない可能性もあるだろう。

実施していると回答した人の具体的な活動としては、「定期的なコンプライアンス教育」が最多の27%、次いで「コンプライアンス委員会の設置」が16%、「不定期なコンプライアンス教育」が15%、「内部通報制度の設置」の14%が挙げられている。

最後に、「公益通報者保護制度」について聞いたところ、「知らない」が全体の57%に上り、認知が進んでいないことがわかった。また、必要性についても42%に止まっている。 公益通報者保護法とは、企業における内部告発を保護する法律で、2006年4月から施行されている。

適用の対象となる「事業者」は、企業のみならず、その他法人や個人事業者のほか、国、地方公共団体などの行政機関も含まれる。保護される対象となる「労働者」には、正社員、派遣労働者、パート、アルバイトなどが含まれる。

そして、公益通報者保護制度の認知者の評価を、コンプライアンス活動の有無別でみると、「何かしら機能している」は導入企業の51%・未導入企業では23%、「機能していない」は導入企業の29%・未導入企業の54%となり、評価が逆転している。

「コンプライアンス」の本質とはなにか

社会の中で経済活動をする企業にとって、法令順守は当たり前のことである。ただ社員ひとりひとりがその意識を持てるかどうかは、別の話だ。

調査結果では、コンプライアンス教育などを導入している企業は、不祥事対応の予測ができる人も多かったことから、社内での取り組みが一定の効果をあげていることはわかる。

しかし通り一辺倒の教育を続けているだけでは、再び問題は起きるだろう。社員の価値観の変化は、消費者の変化であり、社会の変化でもあるからだ。

常に変化をとらえ、柔軟にルールや社内体制を更新することを、企業は求められている。

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