投資用不動産向け融資についての検査を強化!金融庁が「金融行政方針」を公表!!今後の銀行の融資姿勢に影響か? – 健美家株式会社

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金融庁は9月26日、「変革期における金融サービスの向上にむけて〜金融行政のこれまでの実践と今後の方針(平成30事務年度)〜について」を公表、金融行政上の諸課題についていかなる方針で金融行政を行っていくかについての具体的な考え方を示した。



金融庁

なお、従来は、前年度の「金融行政方針」に基づく金融行政の進捗状況や実績、その分析結果を「金融レポート」として公表、これを新年度の「金融行政方針」に反映させてきたが、今事務年度から両者を統合し、一体として公表することとなった。

因みに「事務年度」とは7月から翌年6月までの期間をいい、平成30事務年度は平成30年7月1日から平成31年6月30日である。

この他に会計年度(4月から翌年3月)、暦年(1月から12月)を使い分けている。

今回の金融行政方針では、重点施策として「5.顧客の信頼感・安心感の確保 〜金融機関の行為・規律に関する課題〜」を挙げ、その中に「(3) 投資用不動産向け融資」の項目を設け、詳細に記述している。

それによると、アパート・マンションやシェアハウス等を対象とした投資用不動産向け融資については、顧客保護等の観点から問題のある事例が確認されているとし、具体的には次のような事例を挙げている。

1 金融機関及び悪質な持込不動産業者の双方が関与した、入居率や賃料、顧客の財産や収入の状況等についての改ざん

2 借り手にとって経済合理性のないその他の融資商品・預金・保険商品等の抱き合わせ販売

*因みに、スルガ銀行が設置した第三者委員会の調査結果(9月7日発表)では、次のような事例が記載されていた

・業者が行員に対して、同じ口座番号で残高の違う預金通帳を送付

・業者が所属長に2通の異なる源泉徴収票(1通は所得が増額されているもの)を送付

・業者が行員に対して、同一物件について複数のレントロール(入居済の部屋の賃料が違うもの)を送付

・業者が行員に対して複数の賃貸借契約書(賃借人と日付が同一で賃料が異なるもの)を送付

・行員から所属長に債務者への勧誘メールの文案として「フリーローン1000万ご提案→そのうち500万を定期預金にしていただく」という歩積両建てを提案するメールが送られる

この他、融資対象不動産に高額の価格設定がなされることにより、顧客が過大な債務を負うケースや、サブリース業者の経営状況が悪化することにより顧客への賃料保証が行えず、顧客が返済不能となるケースなどが確認されているとしている。

なお、同指針では「昨事務年度の実績」として、シェアハウス融資に関する問題が発生した金融機関に対して、立入検査を開始し実態把握に努めているとし、名指しは避けているものの、スルガ銀行の件を念頭に置いた記述であることは明らかである。

金融庁では、以上の問題点を踏まえ、今事務年度の方針として投資用不動産向け融資に関して、横断的なアンケート調査を行い、検査も活用しつつ深度あるモニタリングを実施するとしている。検査等で具体的にチェックしていくのは以下の項目である。

・顧客の返済可能性を考慮した融資実行時の審査、持込不動産業者が提示した価格の検証や、空室率・賃料水準の推移の把握を前提とした期中管理をはじめとする融資審査・管理態勢

・顧客の不動産購入目的を踏まえた借入の合理性の検証や、賃料収入に関するリスクの説明等、顧客保護等管理態勢

・不当な抱き合わせ販売を防止する等の法令等遵守態勢

つまり、物件の価格がそもそも適正であるかということ、投資家の借入金額について、借入期間全般に亘って空室率(の上昇)や賃料水準(の下落)を適切にシュミレーションして融資審査を行い、借入期間中もそれら水準を把握しているかなどを重点的に検査等していくことになる。

これらのことが、今後の金融機関の融資姿勢にどのような影響を与えるかが不動産投資家にとっては最大の関心事となる。

一般的には、空室率・家賃下落率の設定の甘い案件については、融資が付かない若しくは多額の頭金を要求される事態が想定される。

また、融資可能物件であっても想定利回りは上昇するであろうし、特に最初からキャピタルゲインを織り込んだような物件の融資については、非常に厳しくなることも予想される。不動産投資家にとって厳しい時代の到来となるかもしれない。

健美家編集部





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