「手ぶらで旅行」が好評 還暦起業家の手荷物配送サービス(上) – M&A Online

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「手ぶらで旅行」が好評 還暦起業家の手荷物配送サービス(上)

リストラがきっかけで起業したトータルロジテム社長の三苫敏明さん

観光旅行はしたいけど、重いスーツケースを持って歩くのはしんどい。そんな人に便利なのがトータルロジテムの手荷物配送サービス。大手運送会社に勤めていた三苫敏明さん(67)は還暦で独立し、顧客の旅行スケジュールに合わせて手荷物の配送サービスを提供している。出かける前に手荷物を現地に送り、身軽な格好で観光見物をしたい、新幹線やバスに積み切れないほど大きい手荷物がある、お土産品をホテルや空港、駅まで届けて欲しいなどといった需要を取り込んで、順調に売上を伸ばしている。個人旅行だけでなく団体ツアー、教育研修やイベントに出席する人の手荷物配送も代行する。

独立はリストラがきっかけ

昔、修学旅行といえば重い荷物を持ってあちこち歩き回ったものだが、今は手ぶらで旅行する。三苫敏明さんは8年前に独立して現在、修学旅行の手荷物を配送するビジネスを展開している。確かに重い荷物を持ってあちこち移動するのは時間もかかるし、思わぬ事故につながる危険性もある。

九州・福岡の学校を出て、大手運送会社に就職。旅行業の部署に配属され、20年近くツアーの企画や添乗員など、観光ビジネスの仕事に携わった。ところが、旅行ビジネスの収支が悪化して、事業の継続をストップ。三苫さんも配置転換を余儀なくされた。

「お前は営業ができるんだから、ホテルの荷物を取ってこいという話になって、いままで付き合いのある旅行業界の人脈を利用して、修学旅行の荷物の取扱を始めたんです」

形の上では単なる人事異動だが、旅行から物流への配置転換は、三苫さんにとっては異業種。物流業の経験はなく、ゼロからのスタートだった。

「半分リストラです。普通サラリーマンだったらもう辞めようかなと思いますよ」

他の旅行会社へ転職することもできたが、「1回がんばってみようと思った」

10数年かけて需要を開拓し旅行会社と提携して、修学旅行をターゲットに新しいサービスのノウハウを確立した。ところが、今度は宅配便の収益悪化を理由に、この手荷物配送事業をやめてしまった。これ以上会社に踏みとどまる理由はなくなった。

「上司から自社の宅配便は使えないので顧客に断ってこいと言われましてね。お客さんのところに行ったら、何だ、オレのところの荷物をどうしてくれるんだという話になって、じゃ私が会社を立ち上げて、サービスを継続しようということになったわけです」

私は辞めるのだから後は知らんと、無責任なことを言って逃げ出すわけにはいかなかった。定年を待たず2010年2月に退職し、翌月には東京・新小岩にトータルロジテムを設立。修学旅行の手荷物配送という新しいサービスを始めたのもリストラがきっかけだったが、独立も会社が事業をストップするというリストラが後押しをしたようなものだ。

文:大宮知信



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