カジノ法案 リスク山積 運営業者が賭け金融資 入場規制上限に抜け穴 – 東京新聞

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 参院内閣委員会は十二日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案の審議を行った。これまでの国会審議で、ギャンブル依存症や多重債務者の増加が懸念されるだけでなく、政府の取り組みがそれを助長する恐れがあることが分かった。政府がカジノ解禁の利点に挙げる経済効果については、明確な数字を示さないまま。さまざまな問題や疑問を残したまま、政府は二十二日に会期末を迎える今国会で法案を成立させようとしている。 (中根政人)

 法案は、カジノ事業者が貸金業者を担い、賭け金が不足した客に施設内で融資できる「特定金融業務」を可能にする。競馬や競輪などの公営ギャンブルやパチンコ店にはない仕組みだ。

 融資の対象者は訪日外国人に加え、一定の資金をカジノ事業者に預ける日本の高所得者とする。政府は特定金融業務について、年収の三分の一を超える貸し付けを禁止する貸金業法の「対象外」としている。

 この仕組みでは、カジノ事業者が客に融資をちらつかせ、巨額の賭け金を使うよう促す恐れを排除できない。主な野党は「国民がギャンブル依存症や多重債務に陥る可能性を高める」と批判するのはそのためだ。

 世界のカジノ事情に詳しい静岡大の鳥畑与一教授(国際金融論)は「金を限界までギャンブルにつぎ込める恐ろしい仕組みだ」と警鐘を鳴らす。

 ギャンブル依存症を助長する懸念はこれだけではない。政府は入場規制として、カジノの日本人利用は週三回、月十回までとした。だが、計算上は一年間の約三分の一もカジノに通うことができる。

 法案を担当する石井啓一国土交通相は十二日の参院内閣委で、カジノ利用の「一回」の定義について、「一日」ではなく「二十四時間」と説明した。例えば半日ずつの利用ならば、カジノに週六日通うことも可能になる。これでは入場規制にならない。

 法案成立後に定める政省令・規則は計三百三十一項目に上る。具体的な制度設計がカジノ事業者を規制・監督する新設の行政機関「カジノ管理委員会」などに“丸投げ状態”になりかねない。

 安倍晋三首相は、IR整備の意義について「観光や地域振興、雇用創出などの大きな効果が見込まれる」と繰り返す。だが政府は、具体的な経済効果に関して、「定量的な試算は困難」として明示していない。

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