次世代の女性起業家ネットワーク「オール・レイズ」の絆 – Forbes JAPAN

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ジュリア・ハーツ(Stephen McCarthy/SPORTSFILE via Getty Images)

周りに多くの起業家仲間がいたことが何よりの支えだった──。オンラインチケットサービス大手「イベントブライト(EventBrite)」のジュリア・ハーツCEOは、駆け出しの経営者だった頃をそう振り返る。

2006年に同社を立ち上げた時、彼女とその共同創業者たちは、サンフランシスコのポトレロヒルにある倉庫内のオフィスを、ソーシャルゲーム会社「ジンガ(Zynga)」や不動産サイト「トゥルーリア(Trulia)」などのスタートアップとシェアしていた。

「そこは起業したい人々が集まる難民キャンプのような場所で、私たちは夢のような日々を過ごした」とハーツは回想する。

部屋に窓がないことや、個々に割り当てられたスペースの狭さは気にならなかった。頼りになる人々がすぐそばにいたからだ。ハーツをはじめとする起業家たちは互いの資金集めのプレゼンの練習に付き合うなど、さまざまな面で助け合っていた。

そのようなネットワークを持っていた自分は幸運だったとハーツは言う。やがてハーツは、孤立奮闘する起業家にネットワークを提供する側に回りたいと思うようになった。

2018年、ハーツはNPO「オール・レイズ(All Raise)」が開催する「Female Founder Office Hours」に参加した。オール・レイズはベンチャーキャピタル(VC)で働く30数名の女性がテック業界のダイバーシティ推進を目的に立ち上げた団体で、10年間で女性役員の数を倍増させることと、5年間で女性起業家へのVC出資額を全体の15%から25%に引き上げることを目指している。

オール・レイズが2017年に始めた「Female Founder Office Hours」は、女性起業家を対象とした1対1のメンタリングセッション。これまでサンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス、ボストンの4都市で5回行われ、1600人以上の女性起業家から申し込みが殺到した。

当初、メンターを務めるのはベンチャー投資家だけだったが、今年からハーツのような会社経営者も加わった。また、都市部以外に住む起業家でもアドバイスを受けられるように、セッションのWeb配信も始まった。既に効果は出ており、セッションに参加した複数の起業家が資金調達に成功している。

「女性を大勢の相談相手や指導者で取り囲めば、状況は前進するはず」。そう話すのは、「Female Founder Office Hours」を企画した一人で、セコイア・キャピタルのパートナーであるジェス・リーだ。メンターに経営者を加えるアイデアは、リーが養子縁組のマッチングプラットフォーム「ビンティ(Binti)」のフェリシア・ククルCEOと出会ったことがきっかけで生まれたという。

有名女性起業家が続々と参加

リーが同業の女性たちとオール・レイズを立ち上げたように、ククルも女性CEOのネットワークを築いていた。二人は互いの人脈を合体させることで、業界の女性を取り巻く環境を改善できると考え、120名以上の女性経営者をメンターにリクルートした。

そうして新たに加わったメンターには、前出のハーツの他、CDNサービス「クラウドフレア(Cloudflare)」共同創業者のミシェル・ザトリン、コスメブランド「グロシエ(Glossier)」創業者CEOのエミリー・ワイス、ファッションEC「スティッチ・フィックス(Stitch Fix)」創業者CEOのカトリーナ・レイクなど、錚々たる面々が並ぶ(約120名の資金調達総額は40億ドル=約4290億円)。

彼女らは2ヶ月に一度、45分のメンタリングセッションを受け持ち、次世代の女性起業家を支援する。

「私が起業した時は、成功体験を語ってくれる女性の起業家がほとんどいなかった」とククルは言う。今、起業を目指す女性には、大勢のロールモデルが存在する。メンターであり、起業家仲間でもある女性が何人もいる。



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