投資の損失を活用 確定申告できる節税対策の注意点とは? – 上毛新聞ニュース

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投資の損失を活用 確定申告できる節税対策の注意点とは?

[2018/03/14]

 投資で損を出してしまっても、税金の軽減という形で投資家の負担を和らげてくれるありがたい制度「損益通算」。確定申告にて処理をする「損益通算」をするときの注意点と、1年のうちに複数の口座で取引を行った場合について解説する。

【前回の記事】投資の損が節税につながる! 「損益通算」で税金を取り戻そう

■「源泉徴収ありの特定口座」なら損益通算も自動的に

 損益通算をするときは、口座の種類によって確定申告が必要かどうか変わってくるので注意しよう。証券口座には「源泉徴収ありの特定口座」、「源泉徴収なしの特定口座」、「一般口座」の3種類あり、このうち、「源泉徴収ありの特定口座」は、売却益にかかる税を源泉徴収によって証券会社が代わりに納めてくれる。そのため、確定申告する必要はない。さらに、「源泉徴収ありの特定口座」なら同一口座内の損益通算も自動でやってくれる。面倒な手続きが必要なく、投資家にとって一番手軽な口座と言えるだろう。

 その一方、「源泉徴収なしの特定口座」と「一般口座」の場合、利益が出ても源泉徴収されていないため、確定申告をして納税しなくてはならない。損益通算も確定申告の時に自分で行う必要があるので、対象となった場合は忘れずに行おう。

■配当金や分配金も「損益通算」の対象に

 さらに、損益通算で忘れてはならないのは、売却による損益だけではなく、株式の配当金や投信の分配金、債券の利子とも相殺が可能だという点だ。配当金や分配金、利子は基本的には「源泉分離課税(他の所得と合算せず、分離して税額を計算する制度。山林所得、土地建築や株式の譲渡所得等が対象となる)」なので、受け取るときにすでに源泉徴収によって課税金の支払いが終了している。しかし、申告分離課税を選んで確定申告することで、配当金や分配金、利子から源泉徴収された税金の還付を受けることができる。

 ここでも、「源泉徴収ありの特定口座」であれば、同一口座で取引のある配当金や分配金、利子についても自動で損益通算してくれるため確定申告は必要ない。「源泉徴収なしの特定口座」や「一般口座」で取引をしているのであれば、配当金などから源泉徴収された税金を取り戻すためには確定申告が必要となる。

 例えば、A株の譲渡損失が10万円あって、そのほかにX株の配当金が3万円、Yファンドの普通分配金が2万円、Zファンドの普通分配金が1万円あったとする(図表参照)。合計すると配当金などの儲けは6万円となり、A株での損失よりも小さく、儲けは全額相殺される。そのため、配当金や分配金から源泉徴収された9188円の所得税が全額還付されるという仕組みだ。なお、住民税分の3000円は2018年度の住民税から控除され、控除しきれない分は還付される。住民税についての手続きは不要だ。

■複数の口座で取引している場合は「損益通算」の必要あり

 ひとつの「源泉徴収ありの特定口座」だけで取引を行っていた場合なら、同一口座内の損益通算は自動で行ってくれるので確定申告の必要がないのは前回お伝えした通りだ。しかし、「源泉徴収ありの特定口座」でも、複数の証券会社で口座を開設していて取引している場合には、自分で損益通算を行う必要がある。「源泉徴収ありの特定口座」で損益通算をしてくれるのは、あくまで同一口座内だけなので注意が必要だ。

 また、「源泉徴収なしの特定口座」や「一般口座」はひとつの口座での取引であっても、複数の口座であっても利益が出ていれば原則として確定申告して納税しなければならない。損益通算も自分で計算することになる。つまり、複数の口座間で損益通算をしたいのであれば、口座の種類にかかわらず確定申告が必要となる。

 例えば、2017年中に2つの証券会社の口座で取引があり、一方の証券会社では利益が出たが、もう一方の証券会社では損失を出してしまった場合など、損益通算するためには口座の種類にかかわらず確定申告しなければいけないということだ。

 損益通算は、投資を行うのであれば、必ず知っておきたい制度だ。利益が多く出ている年であれば、持っている銘柄のなかで値下がりをしたものを売却し、税負担を軽くするのもひとつの手段だ。損益通算を活用し、「転んでもただでは起きぬ」の精神で少しでもお得に投資を楽しもう。

(文/永井志樹子)



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