香港「独立」支持票、行き場失う 立法会補選、民主派が苦戦 – 日本経済新聞

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 【香港=粟井康夫】12日に開票が終わった香港立法会(議会)補欠選挙で、民主派陣営が獲得したのは4議席のうち2議席にとどまった。中国からの独立を志向する候補の出馬が取り消され、若者を中心に投票率が低下したことが影響した。中国政府は香港への統制強化に自信を深めており、香港の民主化運動は曲がり角にさしかかった。



九龍西選挙区では民主派が擁立した前議員の姚松炎氏(左)が親中国派の鄭泳舜氏に競り負けた=AP

 補選の対象は、中国を侮辱するような発言をするなど、就任宣誓を規定通り読まなかったとして資格を剥奪された民主派や本土派議員6議席のうち、法廷で係争中の2議席を除く4議席。民主派がどこまで議席を奪還できるかが焦点だった。

 香港の選挙管理委員会は1月、2014年秋の「雨傘運動」の学生指導者らが組織した新政党、香港衆志(デモシスト)幹部、周庭氏の立候補を認めないとの判断を下した。同党綱領は将来の香港の政治体制を住民投票で決めるべきだとする「自決」を掲げる。「香港は中国の不可分の領土」と定める香港基本法に違反するのが理由だった。

 これに対し、民主派は「選挙の自由を妨害した」と香港政府を強く批判。周氏に代わる統一候補の擁立を決めた。「周氏の出馬取り消しで同情票が増え、民主派に追い風になる」と期待され、4議席とも民主派が奪還するとの予測もあった。

 だが蓋を開ければ、直接選挙枠の香港島、新界東の2選挙区で民主派が勝利したものの、九龍西では失職後に再出馬した前議員、姚松炎氏が親中国派に僅差で敗北。職能別選挙枠の建築・測量業界でも、親中国派の元議員が返り咲いた。

 民主派が予想外に苦戦した背景には、直接選挙枠の投票率が43%と、16年9月の前回立法選の58%から低下したことが響いたとの見方が多い。

 雨傘運動の終結後、香港の若者の間には「一国二制度」を前提とする穏健民主派への失望が広がり、中国からの独立を志向する急進的な「本土派」や「自決派」への支持が強まった。若者の多くは本土派や自決派の出馬が取り消されると補選への関心を失った。会社員の女性(22)は「公開討論や政策を見たが、自分の考えを代表してくれる候補がいなかった」と選管への抗議の意味を込めて白票を投じたという。

 民主派は本土派の支持層を取り込めず、組織力や資金力で勝る親中国派に競り負けた。親中国派陣営は直接選挙枠、職能別選挙枠の双方で過半数を維持し、議事運営で主導権を握り続ける。

 中国政府は香港の議会政治から本土派や自決派を排除することに成功した。李克強(リー・クォーチャン)首相は5日の政府活動報告で、香港独立をけん制する文言を外した。習近平(シー・ジンピン)指導部が香港への締め付けを強めるなか、20~30歳代は「香港では民主主義は実現できない」といった無力感を抱え、政治に関心を失いつつある。民主派陣営は戦略の見直しを迫られる。



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