親会社からの天下り役員は「敵」か「味方」か – 日経ビジネスオンライン

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ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は41歳の男性から。親会社から天下ってきた役員による新規事業の計画が「虚偽だ」と不信感を抱いています。上田さんは「本当にそうなのか?」と疑問を投げかけます。

悩み:親会社からの天下り役員が、親会社で一部撤退したような事業を立ち上げ、もうかる見込みもない「虚偽」の計画を推進しています。子会社の社員はほかにやることもなく、それに従うしかありません。

 会社の決断力の無さに呆れている。親会社にて、収益性は低いものの将来性はあるとされたA事業を立ち上げた経験のある役員が、私が働く子会社に天下りをしてきた。そこで、親会社と同様にA事業を立ち上げようとしている。

 親会社ではA事業の一部について撤退を決定した。一方、子会社でA事業に必要なスキルを持った人間を他社からヘッドハンティングして、その事業に従事させようとしている。だが、スキルを持ったヘッドハンティングされてきた人以外は全くノウハウを持っておらず、シナジーを発揮できない。

 これまでの実績から冷静に判断すれば、中長期的に会社が期待する期限で投資回収できる可能性は低い。それでも、天下りしてきた役員は鉛筆を舐めて数字をつくり、虚偽の計画書を親会社へ提示して、A事業を継続しようとしている。子会社に務める社員はその役員に従うままに、赤字であろうが黒字であろうが、とにかく従属者になってしまっている。

 ヘッドハンティングされてきた人も、周囲の程度の低さに意欲を完全に失ってしまっている。役員の情熱だけで推進しようとしているド素人集団によるA事業は、赤字を垂れ流しているが、いまだ継続している事態。

 次世代を見据えた身の丈にあった事業を創造する力もなく、今は仕方なくA事業に取り組まざるを得ない。ほかにやることがない。

(41歳 男性 会社員)

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

大竹剛(日経ビジネス 編集): 今回は41歳の男性から。なんだか、文面から相当の怒りというか、投げやりになっている感じが伝わってきます。



上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):この方は、自分の会社に対して、まるで外部から来た企業分析コンサルタントみたいなことを言っているよね。

大竹:ちょっと他人事のような感じですよね。

上田:確かに、この方が言っていることは事実かもしれない。ただ、この内容からはちょっと分かりづらいんだけれども、どんな会社だって、赤字を垂れ流しているような事業を10年、20年も永遠に継続するなんていうことはあり得ない。

大竹:そうあってほしいものです。

上田:これは、企業としてあり得ないことなんですね。むしろ、こういうことだって考えられる。現在は先行投資の時期という位置付けなので赤字が続いているが、この会社、もしくは親会社にとってこの事業は絶対に必要であり、成功させる必要があると。子会社の方に移しながらも完全には撤退していないということは、グループとして、なんとしても必要だと考えているということかもしれない。

 もし、この方が言うように、A事業が親会社ともこの方の会社とも全然関連性がなくて、赤字を垂れ流している状況であれば、近い将来、止めることになるでしょう。オーナーの趣味が許されるオーナー企業でない限りは。

大竹:上場している大企業なら、最近は株主からのプレッシャーも強いですからね。

上田:親会社も含め、この事業を成功させねばならないと思っているからこそ、外部から優秀な人材をヘッドハンティングしたりしているんでしょう。この会社が置かれている状況は、そういうふうにも推測できると思うんだよね。



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