産後のお母さんに養生と栄養を – 東海日日新聞

Home » 起業・独立 » ビジネスプラン » 産後のお母さんに養生と栄養を – 東海日日新聞
ビジネスプラン, 起業・独立 コメントはまだありません



 豊川市伊奈町の助産師、鈴木佐和子さん(43)は昨年10月、「輝く女性ソーシャルビジネスプランコンテストあいち2017」で、43人の中から最高賞の愛知県知事賞(女性活躍部門)を受賞した。テーマは「産後女性と家族のための産後ケアハウス『虹色びれっじ』の設置」。その後開業し、現在忙しく飛び回る鈴木さん。産院を退院したお母さんが宿泊して支援を受けられる産後ケアハウスの重要性と、今後の課題とは―。



産後ケア拡大と事業継続―課題は行政の補助

 虹色びれっじは、母乳外来や様々な講座などを開く助産院と、お母さんがゆっくり休める個室2室、キッチンや浴室などを備えた家庭的な新築の施設だ。

 鈴木さんは元救命救急の看護師。命の現場に関わる経験などから、赤ちゃんや妊産婦ケアに携わる仕事がしたいと思い、助産師の免許を取得して2006年に出張専門の診療を開始した。豊橋市の事業の講師、サークル活動も行い、多くのお母さんたちと接する中で、「出産後に何らかの理由で周囲の手助けが得られないお母さんが、しっかり養生して栄養を取り、育児の不安や孤独を和らげてから家庭に戻る施設が必要」と実感。悩んだ末にケアハウスの開業に踏み切った。

 産科機関でもなく、行政などの後ろ盾もない1人の助産師が、情熱だけでケアハウスを始める例は多くない。収入面などで事業継続が難しいからだ。宿泊プランの料金は、食事やおやつ、母乳ケアなど含めて実費で1泊3万円(2月現在)。決して安いものではないが、人件費や一般的な施術料などから見積もっても赤字にならない最低ラインだという。現在、スタッフは鈴木さんの想いに賛同した看護師や保育士、セラピストなど女性6人。それぞれが仕事を持ち、必要な時に施設に勤務する形だ。「本当にありがたい。理解と協力なしではやっていけない」と鈴木さんは感謝する。

 産後ケアハウスの存続と拡大には、行政による補助が欠かせない。全国的にも産後ケア、またそれに伴う県や市町村による利用料の負担は広まっている。山梨県では1泊約3万4000円の利用料の約8割を県と市町村が負担する。県内では高浜市が8割を助成し、1泊1万円が自己負担の目安(食事代含まず)という。新城市は公設の助産所が対応し、1泊2万円。東海市や田原市は個室料金や食事代など1万円を基本料金とし、8割を負担。自己負担額は2000円ほどで低額だが、赤ちゃんの預かりや乳房マッサージなどはオプションで別料金がかかる。

 一方、鈴木さんの施設では、養生に必須という観点から、ほとんどのサービスが込みで3万円。オプション料金は基本的に必要ない。豊川市でも来年度産後ケアによる助成が始まる予定だが、各行政は施設によって違う料金体系を、どうクリアしていくのかが課題だ。

 虹色びれっじのスタッフで元同僚看護師の中島由美子さん(57)は「熱い思いと頑張る姿を見て応援したくなった」と話し、歌でサークル活動などを盛りあげるピアノ講師、中西麻奈美さん(40)は「ママたちのためになるこれからの新しい分野」と期待。鈴木さんは「産後ケアが、妊婦健診などと同様に当たり前になってほしい。授乳に関する相談などが無料で利用できる産後ケアチケットがあったら。赤ちゃんだけでなくお母さんも癒やしてあげたい」。鈴木さんの挑戦は続く。

 虹色びれっじでは、「産後(35)の日」の3月5日、同所で、子育て中のお母さんらの手作り作品を販売したり、癒やしのマッサージなどを提供する「マママルシェ」を開催。また4月から沐浴(もくよく)などを含む産後ケアに特化した出張訪問「見守り隊」をスタートさせる。そのほか定期講座やサークル活動などの情報は「虹色びれっじ」のホームページで確認できる。

問い合わせは

=電話0533(78)5173=へ。



2018/02/13 のニュース



コメントを残す