AI時代にふさわしい働き方とは – 日本経済新聞

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小谷:同一労働同一賃金の実現、長時間労働の是正など、日本はいま、働き方改革の推進が求められています。一方でAI(人工知能)やロボットの進化が目覚ましいなか、新しい時代の働き方とはどのようなものなのでしょうか。日本経済新聞の村山恵一コメンテーターに聞きます。これからの時代、どのような働き方が求められるのでしょうか。



小谷キャスター

小谷キャスター

村山コメンテーター(2月5日放送)

村山コメンテーター(2月5日放送)

■AIや高齢化で環境激変

 「場所や時間にとらわれず、ライフスタイルや各自の都合に合わせられる「柔軟な働き方」ではないかと思います。というのも、こちらに代表的なものをいくつかあげましたが、AIの飛躍的な発達やロボットによる自動化などの技術の進歩、さらには高齢化・介護問題、人手不足など、ここ数年で社会を取り巻く環境は劇的に変化しています。そうした環境に合わせた『柔軟な働き方』がいま広く求められています」

小谷:柔軟な働き方を浸透させていくためには何が必要でしょうか?

 「大きく3つあります。1つは、副業がしやすい環境の整備。2つ目が、働き方のルールづくり。そして、3つ目がサポート体制の強化です」

小谷:まず副業についてですが、日本は決して副業はしやすくないですね。環境の整備は大変ではないですか?

■副業、報酬以外にもメリット

 「そうですね。ただ色々な動きが出てきています。政府の「柔軟な働き方に関する検討会」が昨年末、「柔軟な働き方」に関する報告書をまとめました。検討会では、社内では得られない知識やスキルを社員が社外で獲得できれば企業にとっても利益があるとし、副業の促進のための方策などが議論されました。実際、時間単位で経営相談に応じるコンサルタントを仲介するサービス会社のビザスクでは5万2千人のコンサルタントのうち、7割が副業として働いています。つまり、現役のビジネスパーソンということになります。例えば、販路開拓に悩む中小企業に対して、大手メーカーの営業社員が助言するといった具合なのですが、助言する側からも自己研鑽(けんさん)、自己発見などができ、報酬以外のメリットが享受できる、そんな声が多く寄せられているそうです」

小谷:2つ目の、働き方のルールづくりとはどういうことでしょう?

 「先程の検討会では、テレワークについての実態や課題の把握、普及に向けたガイドラインの策定などについても議論がなされました。テレワークとはインターネットを活用し自宅などで仕事をする働き方です。インターネットを通じてこのテレワーカーに企業の業務を仲介するクラウドソーシング事業者が台頭していて、今後ますますテレワークの活用は広がるとみられています。トラブルを防ぐために募集内容の明示化や契約書をしっかりと作ることなど、健全に普及させるための指針が盛り込まれました」

小谷:3つ目に、サポート体制の強化とあります。具体的にはどういったサポートでしょうか?

■ネットで「信用」蓄積し自ら備える

 「テレワーカーなどフリーランスとして「柔軟な働き方」をしている人の割合をみると、去年日本では労働力人口のおよそ17%、6人に1人でした。アメリカでは日本の倍のおよそ35%を占めており、日本でもテレワーク市場が拡大すれば、さらにフリーランス人口が拡大する見通しです。フリーランスの皆さんに働く上での悩みを聞いたところ、一番多いのはお金についてでした。これまでは会社勤めでないと信用が得られにくく、融資などが受けにくかったからですが、今ではクラウドワーカーとしての実績を「与信」に使うフリーランス向けの融資サービスなどが広がりつつあります。高度成長期のような社会保障や、国頼み、企業頼みの仕組みというのはとうに限界を迎えています。ネット内で蓄積される「信用」もてこにして自分で備えることが、これからはより重要になると思います」

小谷:人生もこれから長くなりますから、本業以外のところで収入を得る、ネットワークをつくるということを考えていかないといけませんね。個人の考え方はどんどん変わってきていますが、一方で、企業はいまだに慎重ですね?

 「確かに慎重姿勢の企業が多いと思いますが、意識を変えていかなければいけない。そういうタイミングなんじゃないでしょうか。柔軟な働き方ができる企業かどうかが、これから問われると思います。経営環境の変化が非常に速くなっていますので、これまでのように人材を丸抱えしてゼロから教育するという手法はもはや通用しにくくなったのではないでしょうか。もちろん正社員がいてもいいわけですが、それ以外に社外のフリーランサーや、ネットで働くテレワーカーなどを必要に応じて柔軟に束ねてプロジェクトを推進するように事業を運営する。そういう機動力がこれからの企業には求められると思います。わが社ではこんな柔軟な働き方ができますよと、アピールできる企業かどうかが企業の一つの勝ち残りの条件になるのではないかと考えています」

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