《セミナー》変化する東南アジアビジネス成長戦略 – NNA.ASIA

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株式会社エヌ・エヌ・エーと情報通信提供サービスの株式会社ネクスウェイ(東京都港区)は2日、「変化する東南アジアビジネス成長戦略セミナー」を東京都内で開いた。NNAグローバルリサーチグループの早川明輝と、ネクスウェイのグローバル事業推進室の水船健司氏がそれぞれ講演。海外で事業を展開する日本企業の担当者ら40人余りが参加し、東南アジアの人件費の最新動向や、日本企業が取るべき営業戦略の紹介に耳を傾けた。



<現場発、東南アジアにおけ人件費のいま>

NNAグローバルリサーチグループ 早川明輝

■東南アジアにおける給与全体の概要

NNAはこれまでアジア各国・地域で、進出している日系企業に対し、1999年から給与、昇給率などに関するアンケート調査を行ってきた。17年9月1日~30日に行ったアンケート調査は、回答数が2,238社と、16年より100社余り増えた。サンプル数が増えたことで、より信頼性の高い調査結果となった。

回答者を業種別でみると、最近はサービス業が増えているものの、14年以降に大きな変化は見られない。

平均給与額は、税金、社会保険料込みの月額会社負担分で、各国の通貨を米ドルに換算している。17年の東南アジア全体の平均給与額は、製造業部門、営業部門ともに16年からほぼ変わっていない。

平均昇給率は、東南アジア全体では若干上昇した。しかし営業部門をみると、3年連続で昇給率は減少している。営業管理職も営業全体とほぼ同じ傾向にあるが、タイ、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、インドネシア、インドの7カ国においては、管理職の昇給率よりも非管理職の昇給率が高くなっており、その傾向は年々強まっている。

ジュニアスタッフ、シニアスタッフの需要が高まる中、引き抜きや人材流出を防ぐために昇給率を上げていることが背景にあると推測される。最低賃金の上昇により全体の給与額が上がったことや、国内総生産(GDP)の成長も背景にある。

タイでは過去数年間のGDP成長率が、洪水や政治面での不安定さを要因に乱降下したが、直近では回復傾向にある。新国王の王位継承もスムーズだったため、懸念されていたほどの消費の落ち込みもみられなかった。

インフレ率をみると、全体的に物価の下落は15年でほぼ底をついたといえる。一方、14年~15年にかけて上昇の激しかったミャンマーは下落傾向にある。

■採用動向と人件費の上昇

日系企業では昔と比べ、現地のローカル企業との取引が増え、現地スタッフが窓口を務めるケースが目立つようになった。駐在員の就労ビザ取得条件の厳格化や、日本の雇用状況改善で現地法人における日本人の採用数が少なくなったことなどから、現地化推進をキーワードにローカル人材の採用を急ピッチで進める企業も多い。

ローカルの営業人材は数が限られているため、引き抜きや取り合いに繋がることも多く、これが人件費の上昇に結び付いているのではないか。

■考え方と対応

日系企業の9割が人件費の上昇を実感しており、また約5割が許容できる限界点は現在の水準であると回答している。これらの割合は3年間、ほとんど変化していない。

許容限界点突破後のアクションについては、自動化や駐在員の削減といった回答もあるが、売り上げの向上や業務の効率化が人件費上昇を吸収するキーポイントだとの回答が多くなっている。

労使間のやりとりの問題はどの国でも発生するが、安価な賃金を求めてアジアに進出した企業のメリットはなくなってきた、というのが企業側の主な見方である。今後はさらなる営業力の強化や、体制の見直しなどが求められてくる。

重みを増す労働コストの問題をどうするか。新興国の経済発展に伴う人件費の高騰は、現地で経営マネジメントを行う際の大きな悩みである。日系企業の最新給与情報の把握は必要不可欠であるため、職種、職位ごとの詳細なデータを紹介しているNNAアジアデータバンクを活用してほしい。

基礎統計データだけでGDPや消費者物価指数(CPI)などのマクロデータを中心に約100項目を掲載しており、経年比較も容易だ。これらのデータは、給与の決定やアテンドの際に把握しておく必要がある。

<東南アジアの効率的な市場開拓事例を大公開>

株式会社ネクスウェイ グローバル事業推進室 水船健司氏

■東南アジア市場開拓の課題

日系企業の現地法人は人手不足のため既存顧客のフォローで手一杯であり、効率的な新規開拓の方法に頭を悩ませている。製品やサービスを展開する場合、どこにニーズがあるのか、どうしたら現地代理店が思うように動いてくれるか。ローカルスタッフや市場調査会社に依頼したり、広告を掲載したりという手があるが、コストや時間がかかり、有効なターゲットリストや情報が得られないことも多い。

また、商習慣の違いで苦戦を強いられているのも実情だ。代理店に営業や顧客状況のフィードバックを依頼しても、代理店は自社製品だけを取り扱っているわけではないため積極的な営業は難しく、フィードバックが精緻でないことも多い。

■低コストでスピーディーな調査を

ネクスウェイは営業やマーケティングですぐに活用できる調査結果を出すことを課題に、どこにニーズがあるのか見極め、マス媒体で埋もれがちな宣伝をターゲットごとに内容を変えてDMを送付するなど、タイミングを重要視した営業を打ち出している。いかに限られた人員の中で効率的な営業展開をしていくかを念頭に企業や代理店を支援している。

例えばある日系のAEDメーカーは、これまでフリーペーパーに広告を掲載して宣伝していた。しかし、病院、保育所、学校と、相手先に応じた内容のDM送付に変更した結果、渋滞が日常化するなど救急車の到着が遅いタイで反響を呼ぶ好結果に結びついた。

ベトナムで新たに事業展開を始めたばかりのIT企業は、現地の日系企業との接点がなかったが、ファクスによるDMとテレマーケティングにより、工場長やマネジングディレクターの名前とメールアドレスを取得できた。170人以上とネットワークが繋がり、会社の認知度も向上した。

講演するネクスウェイの水船健司氏=2日、東京(NNA撮影)

講演するネクスウェイの水船健司氏=2日、東京(NNA撮影)

短期間のヒアリングによりコストを削減し、さらに営業先リストの作成や多数の商談に繋がるアポの獲得が評価されている。タイの日系製造業では実際に、ヒアリング調査でローカル系の製造業での手動工具使用の実態が把握でき、先方が日本クオリティの電設工具に興味を示したことがあった。

タイミングを見計らった営業では、電話よりファクスが有効である。例えば、暑い時期には省エネの空調メーカーや遮熱塗装メーカーが、雨期には防水塗装メーカーが営業をかけることができる。

またテレマーケティングによる調査では、64.5%の高い回答率で自社製品や他社製品の取り扱い状況、販売価格帯などを把握できた。潜在的にニーズのある店舗リストができ、その結果、代理店が動きやすい営業リストを作成できた。

ターゲットに対する、ファクスでのDMやテレマーケティングが、東南アジアでの市場開拓のポイントだといえる。



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