職人起業塾、マーケティング理論を建築実務に – リフォーム産業新聞

Home » 起業・独立 » 職人起業塾、マーケティング理論を建築実務に – リフォーム産業新聞
起業・独立 コメントはまだありません





職人起業塾、マーケティング理論を建築実務に

職人起業塾

高橋剛志 代表

1258号 (2017/03/28発行) 19面

このエントリーをはてなブックマークに追加


LINEで送る

職人起業塾 高橋剛志 代表職人起業塾 高橋剛志 代表

新たな付加化価値で職人の地位向上

 起業を目指す職人や、現場管理者、設計者などの建築実務者にマーケティング理論を教える「職人起業塾」が全国に広がっている。これまでに大阪で3期の講座が終了。3月からは鹿児島校も開校し、6月には東京での開校を控えている。職人起業塾を開催するすみれ建築工房(兵庫県神戸市)の高橋剛志代表に、講座の内容や今後の展望について聞いた。

販促が不要に

――どういったマーケティング理論を学べる講座なのでしょうか。

 建築現場のマネジメントシステムを基にしたマーケティング理論です。販促が不要になる仕組みづくりを、受講者それぞれの場や目的に合った形に組み立て、グループコーチング形式で学んでもらっています。

――マーケティングに着目されたきっかけはあるのでしょうか。

 3年ほど前から、弊社でも独立したいという職人が増えてきたのです。独立はもちろん応援したいけれど、大工がそのまま起業しても流れ大工のようになってしまうケースが多い。

 そこで、経営者が最低限知っておくべきことを教える社内勉強会を始めました。それが職人起業塾の始まりです。そこから口コミで社外に広がっていき、社内だけではなく外部からも受講生が集まるようになったのです。

職人起業塾の要素を詰め込んだ書籍も販売職人起業塾の要素を詰め込んだ書籍も販売

費用はほぼ助成金で

――通う期間や予算はどれくらいでしょうか。

 期間は半年間で、計15回です。定員は20人で、費用は1人あたり60万円。厚生労働大臣の認可を受けているので、費用はほぼ助成金でまかなえます。参加者は大工や現場監督が多いですが、講座の切り口がマーケティングなので、会計士やプランナーなど様々な業種の人が集まっています。

――具体的には、どういったことを学べるのですか。

 まずは、マーケティングの概念や目的から教え、理想や目的を叶えるために必要な「影響力」について話します。目的や理想って、自分の影響力が及ぶものなら必ず叶う。影響力を広げる方法は、知識量やコミュニケーション力をアップさせるなどいろいろありますが、そうしたことを一つずつ実践していけば、どんな理想も現実になるのです。そうした話からスタートし、意識改革を図ります。

――そこから、具体的な理論を教えていくのですね。

 とはいえ、理屈だけ分かっても実践に落とし込めないと意味がないので、接遇の授業も行い、具体的なコミュニケーションの取り方までレクチャーします。

 講座が半分ほど進んだタイミングでは、それまでの学びを生かして何をするのかというアクションプランも作成。それを実践してもらい、講座の中で検証・アドバイスを繰り返しながら、理屈として定着させる仕組みをそれぞれ持って帰ってもらいます。

卒業後は実務が変化

――アフターフォローの研修などはあるのでしょうか。

 卒業して数カ月後に面談を行い、どう変わったのかを聞いています。アフターサービスを仕組み化し、リピート率が大幅に上がった会社や、リフォームプランの相談に大工が自ら参加し、自社の強みである高い施工技術をアピールするようになった会社などもあり、競合がなくなったと喜ばれているケースが多いですね。

――今後は、さらに開校するエリアを増やされる予定ですか。

 3月に鹿児島、5月に大阪、6月に東京での開校が決まっていて、秋には福岡での開校を予定しています。今後は、それぞれの地域で、卒業生を中心に認定講師をつくり、職人起業塾の輪を全国に広げていけたらと思っています。

 そうして、販促に頼らず地域密着で売上高を伸ばせる会社が増えれば、次は職人の正規雇用というステップに進みたい。正規雇用をし、この研修を受けさせれば、現場で営業的な動きもできるという、これまでとは違う付加価値を持った職人が育ち、給料も上がる。そうした形で、職人の社会的地位を向上させていければ、と思っています。



コメントを残す