がんの啓発ならほかのIT経営者に勝てる – ITpro

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 40代で脳腫瘍と悪性リンパ腫という二つのがんを乗り越えたIT起業家の高山知朗さんは、45歳で自ら起業したIT企業オーシャンブリッジの株式を売却する道を選んだ。



 これからの軸に置こうとしているのはがんの啓発活動。同年代で、優秀な経営者は多いが、がんの啓発なら、他の人にはない独自の価値で社会に貢献できるのではないか、と考える。

 自分だけの価値を身に付けることが、働いていくうえで重要だと伝える。


 高山さんにインタビューしたのは、2017年2月中旬のこと。自らが起業したオーシャンブリッジの売却もひと段落した時期だ。2度のがんの寛解、そして会社の売却と予期せぬファウンダー就任を経た今、ビジネスパーソンとしての自分の人生を、こうとらえている。

 僕は今45歳なんですが、会社を興すとか、がんを乗り越えるとか、M&A(買収・合併)で自分が起こした会社を売るとか、普通の人生ではあまりないような経験をしてきました。自分で言うのも何ですが、45歳にして人生の一通りを経験したような感覚があります。

 自分が会社を離れようと決めて、これからどうやって生きていこうということを考えたときの不安は、普通の方が65歳で定年を迎えたときの感覚に、もしかしたら近いのかなと想像することがあります。それが20年、人よりも早く始まったんじゃないかなと。

 一般の人間よりも20年早く一通り経験したと感じた高山さんだが、リタイヤしたつもりはない。これからの人生はがんの啓発活動を働き方の軸に進めるつもりだ。自分よりも優秀だと高山さんが語る、周囲の経営者、起業家ではなく、自分しか持っていない価値で、社会に貢献することを選んだ。

 会社に戻る、戻らない、離れる、離れないという葛藤のなかで、IT業界のベンチャー経営者を見たときに、僕より優秀な経営者って世の中にいっぱいいるなと思ったんですね。例えば、サイボウズの青野(慶久)さんなんかそうです。

 ほかにも昔からの知り合いで、会社を株式上場させた経営者がいっぱいいます。マイネットの上原(仁)さんとか、ドリコムの内藤(裕紀)さんとか。ドリコムをやめてクラウドワークスを立ち上げた吉田(浩一郎)さんとか。特に吉田さんは、ドリコム時代にオーシャンブリッジと協業していたので、よく一緒に仕事していました。アクセンチュアの先輩でいうと、ケンコーコムを起業した後藤(玄利)さんがいます。

 経営者としては僕より優秀な、世の中に価値を提供できる人はいっぱいいると思ったんですけど、僕のような形で、がんの経験を世の中に発信して患者さんの役に立てる人、あるいはがんの治療に当たる先生の役に立てる人はあんまりいないないと思うんですね。

 だとすれば、自分はそっちで貢献したほうが、世の中のためになるんじゃないか。娘に対しても、そこが自分の仕事なんだ、世の中に対する貢献なんだ、と見せていけばいいんじゃないかと、考えを切り替えたところはあります。

 高山さんが起業したオーシャンブリッジは、「つかえるITを、世界から。」をミッションに掲げるソフト、サービスの販売会社だ。これからは「ソフトの紹介ではなく、経験したことを含めてがんの啓発情報を発信することで、企業ユーザーじゃなくて患者さんから喜んでもらう」という生き方、働き方に変わることになる。



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